研究課題/領域番号 |
25740058
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
庄子 康 北海道大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (60399988)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 離散選択モデル / トラベルコスト法 / MDCEVモデル / 周遊行動 |
研究概要 |
本年度は、Multiple Discrete-Continuous Extreme Valueモデル(以下、MDCEVモデル)を基礎として、周遊行動を分析するための手法開発を行った。周遊行動をモデル化するに当たっては、目的地が空間的に効率的な配置にある場合、周遊することでより大きな効用が得られるような条件設定をMDCEVモデルに加えることである。具体的にはGISデータに基づいて空間的な重みづけを算出し、それを離散選択モデルで用いられるランダム効用モデルの誤差項に導入することを検討した。 まず基本となるMDCEVモデル推定のためのプログラミングを試みるとともに、すでに収集されている知床国立公園におけるデータに対して適用を試みた(知床国立公園におけるデータとは2011年に首都圏住民を対象としたアンケート調査で、仮想的な目的地選択とその目的地での時間配分を聴取したデータである)。空間的な重みづけについても、道路距離に基づいて使用するデータの作成を行った。MDCEVモデルは一般的なソフトウェアでは解析できないため、GAUSS上でプログラムを作成することになるが、テキサス大学のC. R. Bhat氏のウェブサイトの情報や、京都大学の栗山浩一氏からの直接指導を受けながら、プログラミングに関する基礎知識を身につけつつ、プログラムの作成を試みている。 最もシンプルなモデルについては、暫定的な推定結果を得ているが、空間的な重みづけを用いた分析については、鋭意分析を進めている段階である。得られた推定結果については、環境経済学もしくは交通工学分野のジャーナルに投稿する予定にしているため、文献のレビューなどの執筆準備も行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
目的とする推定結果は得ていないが、ほぼ計画した内容について推敲することができたから。
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度は、構築した周遊行動モデルを用いて二つの実証研究を行う予定である。一つは知床国立公園におけるデータを用いて引き続き解析を行うこと、もう一つは、北海道の国立公園データへの適用を行い、時間制約のないシンプルな離散選択モデルによる分析との比較を行うことである。
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