本研究では、外来生物法に規定される特定外来生物の逃亡防止および防除に必要な費用を、誰がどのように負担するのが現実的であるかを明らかにするために、実証分析を行った。特定外来生物の具体例として、セイヨウオオマルハナバチの農業利用とオオバナミズキンバイの防除活動を取り上げた。花粉媒介昆虫として使用されるセイヨウオオマルハナバチについては、トマト生産者が逃亡防止費用を負担するインセンティブを持つことを明らかにした。オオバナミズキンバイについては、ボランティアによる防除活動への参加要因を明らかにするとともに、行政による財政的支援が防除活動の持続可能性を高めるのに有効であることを見出した。
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