日本のテレビ番組の映像と音を用い、面白い映像コンテンツにおける「笑い」を誘発する音の効果を検討した。実験の結果から、音楽や効果音の種類により、映像場面ごとに笑いを引き起こす要因が異なることが分かった。また、笑いを誘発する映像への音の付加は、心理的に「面白さ」や「快さ」「気晴らしさ」などを上昇させる効果があった。なお、生理的に唾液中のα-アミラーゼ活性を低下させ、心理的ストレスの軽減効果がみられた。さらに、喜劇的な映像場面の場合は笑いが生まれる基点(0)~0.5秒に、悲劇的な映像場面の場合は0.5~1秒に、笑いを演出する映像に挿入するシンボリックな音楽の最適な「間(ま)」が存在することを示した。
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