研究課題/領域番号 |
25750019
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 武庫川女子大学短期大学部 |
研究代表者 |
末弘 由佳理 武庫川女子大学短期大学部, 生活造形学科, 講師 (40469531)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | しっとり / Baby's skin / 手触り / 風合い / 中国 / 摩擦 / 表面特性 |
研究概要 |
日本語を母国語としない人々に布のしっとり感を理解してもらうためには、「しっとり」という日本語が表す感覚を正確に伝えるための訳語を見出すことが必要である。そのため第一段階として、 香港在住の中国人学生を対象として、「しっとり」の説明語に“Baby’s skin”という言葉を用いた。次に、これまで行ってきた布のしっとり感に関する研究を基に、日本の被験者が「しっとり」を感じた布7枚を試料として選出し、正規化順位法により官能評価を行った。その結果、「しっとり」の特徴を示す感性語である「なめらか」、「つるつる」、「冷たい」との間に高い相関があり、また、「しっとり」と“Baby’s skin”の感覚の強い試料同士を比較した結果、有意差は得られなかった。今回実施した調査では 香港在住の中国人学生に布のしっとり感を説明する際に有効であった“Baby’s skin”という言葉は、日本人の抱く布の「しっとり」と類似している感覚を示すと考える。 香港在住の中国人学生が評価する布の“Baby’s skin”と日本人学生が評価した布の「しっとり」は、近似した順位となり、類似した感覚をイメージできる可能性がわかった。 編目密度と表面特性との関係においては、購入した表面試験機を用いて測定することで安定したデータを取ることができており、解析を進めていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
日本語を母国語としない国民に対して、日本語である「しっとり」を説明する用語を検討し、レファレンス試料を提示してその用語を使用することで説明することのできる用語を見つけることができた。 また、編目密度と物理特性の関係においては、購入した表面試験機を用いることで安定したデータを取ることができている。 現在は、2013年12月14日より産前休暇に入ったため研究を中断している。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、“Baby’s skin”という語とレファレンス試料を用いて「しっとり」の説明をした上で、外国人と日本人との間に布のしっとり感の差異があるかどうかを検討することが課題である。 “KOSHI”、“NUMERI”などの基本風合いのように、「しっとり」の英語表記は“Shittori”をこれまでと同様に用い、 どのような触感かを具体的に説明する際に“Baby’s skin”を用いることで布のしっとり感が基本風合いのように認知され、独立した風合いとして国内のみならず国外でも確立することが可能ではないかと考えている。 “Baby’s skin”を用いることで外国人と日本人との「しっとり」触感覚の差異を見出すことを目的として研究を推進する。
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次年度の研究費の使用計画 |
2013年12月14日より産前休暇に入り、現在研究を中断している。次年度使用額が生じた理由は研究中断によるものであり、研究再開後に使用する予定である。 実験試料を購入予定である。
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