魚類主要アレルゲンであるパルブアルブミン(PV)のアレルゲン性は熱に強いと報告されている。しかし、アレルギー発症に重要なIgE結合部位がPVの立体構造上にあることを突き止め、加熱変性によるアレルゲン性低下の可能性を見いだされた。PVを加熱すると加熱負荷依存的にアレルゲン性性は低下した。通常の料理の加熱負荷ではアレルゲン性は消失しなかったが、100℃で320分間、120℃で60分間または140℃で10分間での加熱はアレルゲン性を完全に消失させた。加熱を行うとPVの立体構造が崩壊することも突き止めた。さらに、様々な魚種において高加熱負荷がアレルゲン性の低下に有効であることを明らかとした。
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