赤米表皮に含まれる色素成分の構造解明についてさらに確証を得るために、phloroglucinol分解反応を行った赤米エキスをHPLC分取により分画しMS分析およびNMR分析を行った。その結果、得られた画分は分子量414の成分であることが確認され、さらにNMR分析によってそれがCatechin (4α→2) Phloroglucinolであることが示された。よって、昨年度までの結果も踏まえると、赤米中の色素成分はCatechinで構成されたオリゴマーであることが示された。さらに、赤米の芒に含まれる色素成分についてもカラムクロマトグラフィーにより成分を精製しHPLC分析、MS分析、NMR分析を行った結果、芒中の主要色素成分はCyanidin-3-O-glucosideおよびCyanidin-3-O-rutinosideであることが示唆された。これらの成分を用いて抗糖化作用について分析を行った結果、赤米および芒抽出エキスのIC50は、ポジティブコントロールのアミノグアニジンよりも低かったことから、抗糖化作用があることが示唆された。 米粉の製麺性を検討したところ、米粉だけでは生地としてまとまりにくいが、片栗粉や寒天、アルギン酸などの食物繊維を添加して捏ねると、生地としてある程度まとまり、もっちりとした麺を作製できた。添加物の種類により麺の破断応力に違いが見られた。 さらに、米粉麺の学校給食向けのメニュー開発を行い、和食・洋食・中華を含めて現在までに21品のメニューを作成した。
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