嚥下調整食として提供されるゲル状の食品には、離水を生じるものがある。離水は、固形分より先に咽頭に流入するため、嚥下障害者にとって誤嚥の危険性が高まるが、客観的な測定方法が確立されていない。本研究では、表面離水および内部離水の客観的な測定方法を、官能評価結果と比較検討し、ヒトの感覚に最も近い測定方法を決定した。この方法による表面離水率および内部離水率の異なる試料8種類を用い、医療従事者87名により官能評価を行い、どの程度の重症度の嚥下障害者に提供できるかを評価させた。その結果、表面離水が1%程度の場合、内部離水が8%以下となる試料で重度から中等度嚥下障害者に提供できる可能性が高いことが示された。
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