研究概要 |
<目的> InoueらのTGFα切断アッセイを参考に[Inoue et al., Nat. Methods (2012), 9, 1021-1029]、プレートリーダーで測定可能な苦味センサーの構築を試みている。Inoueらは、104種類のGタンパク質共役型受容体(GPCR)について、同法でのアッセイに成功しているが、その中に味覚受容体は含まれていない。したがって苦味受容体T2Rsに適応可能であるかを検討する必要があった。 <進捗状況> 適応可能性の指標として、すでに報告者らが苦味抑制効果を立証しているhTAS2R16およびhTAS2R38の2種のT2Rsを用いている[Sakurai et al., J. Agric. Food. Chem. (2009), 57, 2508-2514]。これらT2RsにTGFα切断アッセイを適用し、それぞれのリガンド(味物質)に対する応答性を検討中である。 当該年度の支出によってバイオクリーンベンチ等を購入し、本研究に特化した研究環境を整えることができた。また、上記研究に必要な材料(T2RsやGタンパク質、AP-TGFα等のプラスミド)は、それぞれの先生方に依頼して供与していただいていた。このことによって、当初計画で研究遂行上の工夫として考えていた、【A.細胞膜移行性の向上】、および【B.苦味受容体にマッチしたキメラGタンパク質の利用】の2点について、課題をクリアできたと考えている。
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