研究課題
本研究は、日本人健常妊婦のコホート研究による妊娠前後の体型および栄養摂取状況が母児の健康に及ぼす影響について検討した。平成25年度は、妊娠前および妊娠中における母体の体型(BMI)が児の発育に及ぼす影響について検討し、母体の低い肥満度および妊娠中期における低い糖負荷後血糖値が、低出生体重児出産リスクに関連する可能性を見出した。平成26年度は、妊娠中の食事摂取状況調査や身体活動量調査の解析を行い、妊娠中におけるエネルギー産生栄養素の摂取バランスへの考慮(炭水化物由来のエネルギー摂取確保)および妊娠中の身体活動量の確保について、妊婦の耐糖能を改善する上で有用である可能性を見出した。近年、妊娠前後の運動習慣が心身の健康に及ぼす効果に関するエビデンスは蓄積されつつあるが、実際に妊娠中にどれくらいの運動量が耐糖能改善に有益か不明な点が多かった。本研究では、毎日の歩行や運動習慣が妊婦の耐糖能を改善する上で有用である可能性を示唆し、妊婦の運動への動機づけを促す上で重要な具体的数量データとして示すことができた。これらの研究成果は、国内外の学会および論文執筆を通して発表することができた。近年の日本人若年女性の痩身化に注目し、妊婦の体型に着目した本研究の一貫した取り組みは、栄養学に関する学術的研究において、将来性のある業績を上げたとして、平成26年度栄養改善学会奨励賞を授与され、平成26年8月に開催された奨励賞受賞記念講演において、多くの臨床研究家を前にその成果(やせすぎが母児の健康に及ぼす影響)を発表することができた。
すべて 2015 2014
すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (9件) (うち招待講演 1件)
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