エネルギー代謝関連酵素であるアデニル酸キナーゼ2(AK2)の欠損が、細胞異形成症における好中球分化障害を引き起こす機序について検討した。HL-60細胞を用いたマクロファージ分化・好中球分化の解析で、AK2およびミトコンドリア由来のATP供給が好中球分化に必須であり、AK2をノックダウンすることでROSの産生が上昇することを示した。また、分化中には分化系統特異的かつ時期特異的なUnfolded protein response活性化が起こっており、これらが分化に必須であることも明らかにし、分子機序の一端を解明した。これらの成果は、新規治療標的の探索に重要なヒントを提示することになった。
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