短鎖脂肪酸による大腸がん予防が注目されている。申請者らは、大腸上皮細胞において、プロピオン酸がペルオキシゾーム増殖活性化受容体a(PPARa)の発現を亢進させることを見出し、その生理的意義を解析した。マウス腸管上皮細胞株であるYAMC細胞を用いた解析より、プロピオン酸はその時間と濃度依存的にPPARaの発現を亢進させることを見出した。さらにプロピオン酸存在下では、PPARaの標的遺伝子である脂肪酸b酸化関連酵素群の発現が亢進し、細胞内のtriglyceride蓄積が抑制されることが明らかとなった。また、プロピオン酸によるPPARa発現亢進にはMAPキナーゼのERK経路の活性化が必要であった。
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