研究課題/領域番号 |
25750054
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 昭和女子大学 |
研究代表者 |
渡辺 睦行 昭和女子大学, 生活科学部, 准教授 (90365809)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | クエン酸 / 低酸素 / 多血症 |
研究概要 |
クエン酸の摂取が低酸素血症に伴う多血症に有効である可能性を探るために、当該年度の研究は(1)クエン酸が赤血球変形能を高めるのか?(2)急性低酸素曝露したラットに対するクエン酸の効果、の2点に重点を充てて実施した。結果は、以下のとおり。 (1)クエン酸を単回投与、および3週間投与したラットにおいて、赤血球変形能をMC-FANにて測定した。いずれの条件においても、クエン酸の投与は赤血球変形能を有意に高めることはなかった。また、赤血球中の2,3-DPG濃度においても、クエン酸投与の影響はみられなかった。一方で、クエン酸の投与は、血小板凝集を抑制する可能性を見いだした。血漿中のクエン酸濃度はクエン酸投与後でも、抗凝固剤として用いられているクエン酸濃度の数千分の1程度にしかならないが、このような低濃度においても、クエン酸が血小板凝集に影響を与えることを明らかにした。 (2)急性低酸素曝露(酸素濃度10.5%, 2時間)によってラット肝臓中のグリコーゲン量は有意に低下するが、クエン酸の投与はこのグリコーゲンの低下を抑制すること、つまり、クエン酸を投与していると、低酸素に曝露しても肝臓グリコーゲン量は低下しないことを明らかにした。骨格筋や心臓にグリコーゲンは、低酸素曝露の影響を受けなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
申請時は、平成25年度に(1)クエン酸を摂取させたラットでは赤血球変形能が高まるのか?(2)クエン酸を摂取させたラットでは、LPS刺激による炎症が抑制されるのか?の2つの研究を実施、平成26年度に(3)低酸素曝露したラットにクエン酸を摂取させると血液流動性が改善されるのか?を実施する予定であった。平成25年度は、そのうちの、(1)と(2)の前半部分、(3)の前半部分について実施した。平成26年度には、(2)の後半部分と(3)の後半部分を実施予定であり、全ての研究計画が十分に達成されることが見込まれる。したがって、本研究は、おおむね順調に進展しているものと判断した。
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今後の研究の推進方策 |
今度は、これまでの研究結果を踏まえ、以下の3点に重点を置き、研究を進めたい。 (1)LPS刺激により炎症を誘発したラットに対するクエン酸投与の影響を明らかにする。 (2)慢性的な低酸素曝露に対するクエン酸摂取の影響をラットを用いたモデルにて明らかにする。 (3)ラットを低酸素曝露すると肝臓グリコーゲン量は低下するが、クエン酸を予め投与しておくことでこの低下を防ぐことができることをこれまで明らかにしてきた。今後はこのメカニズムを明らかにする。
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次年度の研究費の使用計画 |
必要な物品を必要に応じて購入した結果、493円の差額が生じた。 次年度の物品費(ピペットのチップ)に充当したいと考えている。
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