ヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)を阻害してアセチル化を亢進する食品由来成分としてシアニジンおよびペオニジンを見出した。マウス胎児脳由来の初代培養系神経細胞およびSH-SY5Y細胞株を用いて神経細胞保護効果と神経突起伸長に対する効果を検討し、これらの成分により、細胞保護効果においてCHOPの発現が有意に減少し、神経突起伸長効果においてGAP43の発現が有意に増加すること、また核におけるアセチル化p53の局在が増加していることが確認された。このことからシアニジンおよびペオニジンによる神経保護効果と神経突起伸長にはヒストンとp53のアセチル化の2つの機構が関係している可能性が示唆された。
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