ビタミンD栄養状態とサルコペニアとの関係を検討するため、比較的健康な施設入居高齢者39名および若年成人40名を対象に骨格筋量、下肢筋力と血清25水酸化ビタミンD(25OHD)濃度との関係を横断的に調査した。その結果、両群共に年齢、性別、体格等で補正した重回帰分析において、血清25OHD濃度は骨格筋量に対して有意に寄与せず、筋力や身体能力に対し有意な正の寄与を示した。筋力は筋量と筋質から構成され、本研究よりビタミンD栄養状態は筋質に関係することが推察されたため、今後は脂肪浸潤も把握できる核磁気共鳴装置(MRI)を用いて測定した「筋質」との関係について、検討を進める必要があるものと考えられた。
|