研究課題/領域番号 |
25750062
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 大阪樟蔭女子大学 |
研究代表者 |
井尻 吉信 大阪樟蔭女子大学, 学芸学部, 准教授 (20341026)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 栄養指導 / 無床診療所 / 食事調査 / BDHQ |
研究概要 |
地域に開かれた無床診療所には、管理栄養士はほとんど常勤しておらず、栄養指導が必要な生活習慣病患者に対する指導でさえも十分に実施できていない現状がある。また、糖尿病栄養指導対象者抽出については、医師の主観(治療歴、患者背景、患者の性格等)や血液検査値等の客観的指標のみを参考にしており、必ずしも食事調査結果に基づいた抽出をしている訳ではない。そのため、実際に食習慣が乱れており、糖尿病栄養指導の必要性が高い患者に対して効率良く栄養指導ができているとは言い難い。そこで我々は、無床診療所における外来糖尿病患者の治療効果を向上させるため、BDHQから得られた食事調査結果を活用した新しい外来糖尿病栄養指導対象者抽出法を確立することを目的として研究をすすめている。 具体的には、M医院(大阪府阪南市)に通院している2型糖尿病患者のうち、研究の趣旨に同意が得られた109名(男性77名、女性32名、平均年齢64.7±7.4歳)にBDHQを実施し、ある1日の平均的な「栄養素摂取量」を算出。次いで当該患者カルテの検査値(HbA1c、クレアチニン等)を記録し、食事調査結果と組み合わせた栄養指導対象者抽出基準を検討している。 その結果、糖尿病食事療法のうち、栄養基準が大きく変化する糖尿病性腎症第3期Bに該当する患者は、109名中25名であった。このうち、BDHQから得られたたんぱく質摂取量が1.0g/kg標準体重/日を上まっている患者は17名であり、特にこれらの患者は管理栄養士による詳細な栄養指導を受ける必要性が高いことが考えられる。今後さらに詳細な分析を行っていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究協力者である医療法人松若医院松若良介院長のお力添えにより、対象患者様の協力がスムーズであったことが順調に進展している理由である。
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今後の研究の推進方策 |
当初の計画どおり、2年目は、①糖尿病の判定区分、投薬状況、食習慣の特徴を組み合わせた栄養指導対象患者抽出基準を設定。②栄養指導対象患者に、BDHQによる食事調査結果に基づいた栄養指導を行い、その有効性を検討。 3年目は①3年間を通しての総括と成果(学術論文、学会発表)の発信。 の予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
年度末に予定していた出張が急遽中止になったため。 翌年度に計画している旅費に上乗せして使用させて頂きたいと考えている。
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