研究課題/領域番号 |
25750065
|
研究機関 | 四国大学 |
研究代表者 |
開元 多恵 四国大学, 生活科学部, 講師 (50330741)
|
研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
キーワード | 運動 / ビタミンB6 / 分枝鎖アミノ酸 |
研究実績の概要 |
アミノ酸代謝に関係する酵素の補酵素として重要であるビタミンB6(B6)欠乏食下4.75% の分枝鎖アミノ酸を添加した食餌で運動を行うと生体にはどのような影響がみられるのか、B6欠乏食の安静群・運動群およびB6欠乏下分枝鎖アミノ酸を添加した食餌の安静群・運動群の4群で比較検討した。 最終体重は、運動をすることで安静群に比べ有意に低下していたが、分枝鎖アミノ酸添加の有無による差はみられなかった。また、体重100gあたりの臓器重量についても、運動群で腎周囲脂肪、副睾丸周囲脂肪は安静群に比べ有意に低下していたが、分枝鎖アミノ酸添加の有無による差はみられなかった。血漿中のトリアシルグリセロール、コレステロール、アルブミン、グルコースを測定したところ、運動群のトリアシルグリセロールは安静群に比べ有意に低下をしていた。コレステロールおよびアルブミンについては2群間に差は認められず、グルコースについては運動群が安静群に比べ、有意に低下をしていたが、いずれも分枝鎖アミノ酸添加の有無による差は認められなかった。 B6欠乏食の安静群と運動群の血漿中のアミノ酸を比較すると、安静群に比べ運動群で11種類のアミノ酸が有意に減少していた。また、B6欠乏下分枝鎖アミノ酸を添加した食餌の安静群と運動群の血漿中アミノ酸を比較すると、安静群に比べ運動群で16種類のアミノ酸が有意に低下していた。以上のことから、アミノ酸代謝に重要な働きを持つB6が欠乏している状態に特定のアミノ酸を添加し、運動することはアミノ酸の動態を大きく変化させる可能性が示唆された。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定していた肝臓や血漿中の脂質含量の測定ならびに血漿中のアミノ酸分析等を行うことができた。
|
今後の研究の推進方策 |
ビタミンB6が欠乏している状態でアミノ酸を添加し運動をすることで、血漿中のアミノ酸代謝に大きく影響があることが分かった。 次年度はこの点に注目し、詳細な検討を加えたいと考えている。
|
次年度使用額が生じた理由 |
購入予定であった試薬が廃盤になり、代わりのものを購入せざるを得ない状況になり、その差額が出てきてしまったため、未使用額が生じた。
|
次年度使用額の使用計画 |
平成26年度の残金は平成27年度の物品費と合わせて使用したいと考えている。
|