研究課題/領域番号 |
25750082
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研究機関 | 名古屋工業大学 |
研究代表者 |
立岩 佑一郎 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (30534367)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | ネットワーク構築 / e-learning / 誤り局所化 / 履歴収集 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,高等教育機関でのネットワーク管理演習を手軽に実施するための演習システムの開発である.演習用ネットワークの用意に必要なコストと,演習中での指導の効率性の改善に焦点を当てている. 成果1:後者にあたる設定誤りの潜在域を導出する手法を研究した.ネットワーク構築演習において,「ネットワークが繋がらない/繋がってしまう」という通信の到達性に関する要件の達成に躓く学習者が見受けられる.教師であっても原因を特定するのに時間がかかることがある.今年度の研究では,この原因を絞り込む手法を提案し,国内の全国大会および研究会にて発表した.提案手法は,演習問題と答案を入力とし,答案による通信シミュレーションの実行履歴を求め,演習問題から正解の実行履歴パターンを求め,両者の照合結果と誤り潜在域のテンプレート表とを照らし合わせて誤り潜在域を求め,それを出力とする.この手法の特徴は,プログラム解析技術に基づいていること,ネットワークの正解例を必要とせず,演習問題の通信例で代用していること,誤り潜在域をテンプレート化していることである. 成果2:ルータ実機によるネットワーク構築演習において,学習者によるルータへのソフトウェア的操作を収集するシステムを開発した.教師は躓いている学習者の検出及び救出の為に全受講者の作業内容を把握したい.しかし,それには指導者が直接ルータの状態を見て回る必要があり,難しいと言える.これをうけ,次の特徴を持つシステムを開発した:1)教師の指定のタイミングで任意のルータの設定を取得する.2)任意の取得間隔で定期的にデータベースに保存した設定を閲覧する管理端末を提供する.開発成果を国内の全国大会にて発表した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画に対する研究実績は当初の予定と異なる.ただし,異なるのは順序であり,達成度への影響は少ないと考える.以上により,区分に示す評価とする.
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今後の研究の推進方策 |
順序を変えて研究してきたが,行ったものは各々が成果として形が整った.まず,国際会議および論文誌への投稿を行う. その後,未着手の項目を進める.
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次年度使用額が生じた理由 |
研究計画の実施項目の実施順序が前後したためである.
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次年度使用額の使用計画 |
今年度が最終年度であり,実施済のものは国際会議および論文誌へ発表できる段階となっている.順次発表していきつつ,未実施の実施項目に着手する.
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