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2015 年度 実施状況報告書

認知科学に根ざした鑑識技能学習システムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 25750093
研究機関徳山大学

研究代表者

時津 裕子  徳山大学, 福祉情報学部, 准教授 (90530684)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2017-03-31
キーワード鑑識技能 / 知覚学習 / 認知科学
研究実績の概要

資料を直感的に早く正確に分類(同定)する「鑑識技能」の獲得は様々な専門領域で求められている。しかし考古学のように、体系的な学習法(教育法)が確立されていない領域では、技能の獲得には先天的な資質を必要とするとの誤解もあり、学習の途上で断念してしまう者が多い。本研究課題の目的は、このような学習者に対し、万人がもつ知覚学習システムを利用した利便性の高いトレーニング・プログラムを提供することである。

3年目となる本年度は、まず(1)昨年までに修正・調整を終えた遺物評定プログラムについて、その学習効果がトレーニング終了後も長期にわたって保持されることを確かめた。また(2)また同プログラムに取り組むことで、遺物観察時の記憶精度も向上するなどの効果が得られることを明らかにした。これらを(3)頒布に適したプログラミング言語で書き直す準備も進めた。さらに新たな挑戦として、(4)学習材料に遺物の線画・写真など2D素材の他に、3Dモデリングされたオブジェクトを用いることを計画し、そのための研究打合せ・技術研修を実施した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

これまで調整を進めてきたトレーニングプログラムの効果について、保持期間や記憶など他の認知的活動に与える影響という観点から、重要なデータを多数取得することができた。
ここ数年の画像処理技術の発展と比較的安価なソフトウェアの普及に伴い、学習素材を3Dまで拡げることが見込めてきた点においては、当初の計画以上に進展しているともいえる

今後の研究の推進方策

これまで調整を続けてきたプログラムに、3Dモデリングされた学習素材等も加えることで、より生態学的妥当性の高い学習データを取得していく。また配布しやすいプログラミング言語形式への移植作業も順次行っていく。

次年度使用額が生じた理由

学習素材の範囲を3Dまで拡大する計画を導入したことで、その刺激作成及びデータ取得に関わる人件費を次年度に移行する必要が生じたためである。

次年度使用額の使用計画

(1)学習刺激の作成(撮影、加工処理)に学生アルバイトを雇用する(5時間×90日。約30万円)
(2)上記素材を用いた実験データ取得を行う。被験者として一般大学生5名、考古学専攻生10名を雇用する(約6万円)

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2016

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 遺物分類技能の獲得過程:記憶課題(描画課題)との比較から2016

    • 著者名/発表者名
      時津裕子
    • 雑誌名

      日本情報考古学会講演論文集

      巻: 16 ページ: 24-27

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 土器カテゴリーは学習保持されるか2016

    • 著者名/発表者名
      時津裕子
    • 雑誌名

      日本情報考古学会講演論文集

      巻: 16 ページ: 70-73

    • 査読あり
  • [学会発表] 土器カテゴリーは学習保持されるか2016

    • 著者名/発表者名
      時津裕子
    • 学会等名
      日本情報考古学会
    • 発表場所
      九州国立博物館
    • 年月日
      2016-03-27 – 2016-03-27
  • [学会発表] 遺物分類技能の獲得過程:記憶課題(描画課題)との比較から2016

    • 著者名/発表者名
      時津裕子
    • 学会等名
      日本情報考古学会
    • 発表場所
      九州国立博物館
    • 年月日
      2016-03-26 – 2016-03-26

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公開日: 2017-01-06  

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