研究課題
若手研究(B)
本研究は,学部4年間の議論熟達化モデルに基づいた議論実践バランススコアシート(ABSS)を作成し,学士課程型議論教育評価システムを構築することを目的とする。このうち平成25年度は大学生の議論スキルの熟達化の観察のために,「ABSS基本モデルに基づいた実験授業によるアクション・リサーチ」を実施した。研究目的は,1~4年の学生を対象に実験授業を実施し,ABSS基本モデルを用いた各学年学習者の議論スキルの熟達化の観察であった。当該年度の実績の概要を以下2点に示す。(1)過去の研究知見を参考にA内容(思考的側面),B表現(言語的側面),C認識(態度的側面)の3つの側面からABSS基本モデルを作成した。(2)実験授業でABSSを用いて自己分析・学習の手順で計画を立て,学習者に行動・評価・改善をしてもらい,データ収集をおこなった。上記に述べたとおり研究計画どおりに研究が進んでいる。現在まで得られたデータについて以下のような分析に着手した。A内容は発話の書き起こしを作成・第三者によってコード化し思考過程を分析する。B表現は,音声言語訓練装置を用いてピッチや話速等を分析する。C認識は,知識・対話の素朴認識論の質問紙調査を実施する。データ分析に関連して,データ収集が完了する26年3月にアムステルダム大学の議論研究者Van Eemeren氏を訪れるとしたが,国際学会に合わせて26年6月に訪問することとした。
2: おおむね順調に進展している
計画から遅れることなく,おおむね順調に研究計画どおりに研究が進んでいる。
26年度は「学士課程議論熟達化過程の解明」に関する計画と,「ABSSの洗練および議論評価システムの信頼性の検討」に関する計画を実施する。データ分析が主となるため,スケジュールどおりに進めるために早い時期に協力者に依頼をする。
天候不良による出張予定変更に伴う戻し入れのため。今年度の海外出張旅費に充当する。
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15th Biennial EARLI Conference for Research on Learning and Instruction.
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