研究課題/領域番号 |
25750097
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研究機関 | 独立行政法人日本スポーツ振興センター国立スポーツ科学センター |
研究代表者 |
後藤田 中 独立行政法人日本スポーツ振興センター国立スポーツ科学センター, スポーツ科学研究部, 契約研究員 (40633095)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 教育工学 / 運動学習 / 身体制御 / トレーニング支援 / フィードバック手法 |
研究実績の概要 |
ノンヴァーヴァルで理解が難しい自己の身体制御の振り返りにつなげられる可能性に対し、より多くの競技を対象に活用できる運動学習における対象として、スマートデバイスのカメラも活用したフィードバック手法の開発に着目した。ベースシステムにおける動作抽出を目的としたリアルタイムな内的なセンサ情報に加え、お手本としてのアバターとの差異を時間分割的に提示するために、画像処理により対象者の動作をストロボモーションとして1枚の画像に合成し、瞬間的な特定部位の動作や変動を可視化するシステムを構築した。これにより、特定の時間単位で、どの程度アバターとの差異があるか比較可能な環境が提供できる。 開発と平行して,フィードバックと特定部位の動作成分とどう対応させれば,実際に運動学習を行う人に効果的か,小規模なフィードバックの基礎実験を行った.固定カメラ映像のストロボモーションに基づく試験的な実験での意見収集から、運動者自身が妥当性の検証を行うことが可能となると判断でき、いわゆる動きのポイントに対し、より意識・理解させる環境が構築できた。また、合成する姿勢の時間間隔を調整することにより、瞬間的な姿勢に対する意識と、身体動作の連動性どちらに意識をもたせるかどうかも調整可能になった。 これによって例えば、ランニングフォームを対象に進行方向のスムーズな重心移行に関する課題などに対し、数値などの内的な情報に加え、画像抽出による任意時間のアバターとのフォームの差異、またストロボモーションの画像合成による結果として生まれる連続的な動きの連動を視覚的に比較することも可能となった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度の当初計画は、前年度構築を行ったベースシステムに対する入力データに従い,フィードバックを実装することである。すでに内的な数値情報の入力や出力を行う環境は構築できており、その上で、視覚的にフィードバックを行うシステムが構築できた。このため、おおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
フィードバックの即時性を高めることが今後の課題であると同時に、現時点では、対象となる競技(動作)の対象が限定されることも課題である。このため、最終年度では、運動の横断的な動き(ストレッチ)等を対象に、日常的な利活用可能なシステムの開発を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
効率的な実験の実施により、謝金を低く抑えられたことが要因である。また、所属機関異動に向けて、2月、3月の時期に予定していた研究打ち合わせを実施できなかったこともその理由である。
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次年度使用額の使用計画 |
キャンセルされた研究打ち合わせは、最終年度に実施する予定である。また、所属機関が東京から地方になったため、今後旅費に変更が生じることが予想される。使用計画として、前年度まで積極的に研究経費の節減につとめており、この影響を吸収する。
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