研究課題/領域番号 |
25750101
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 独立行政法人国立循環器病研究センター |
研究代表者 |
會澤 久仁子 独立行政法人国立循環器病研究センター, 研究開発基盤センター, 研究員 (80530162)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 研究倫理 / 倫理コンサルテーション |
研究概要 |
当年度は、研究倫理コンサルテーション(research ethics consultation service: RECS)に関する調査を次の通り実施した。 1) 資料調査 関連論文・資料をレビューし、日米における起源や、現状、課題についてまとめ、雑誌に発表した。 2) 国内調査 国内でRECSや臨床倫理コンサルテーションを実施している、東京大学医科学研究所研究倫理支援室や、徳島大学病院臨床試験管理センター、昭和大学研究推進室、宮崎大学医学部生命・医療倫理学分野/附属病院臨床倫理部、東京大学医学部附属病院患者相談・臨床倫理センターの訪問調査を実施し、運営状況について参考となる情報を得た。また、RECSのニーズ把握のための予備調査を、倫理審査委員会委員や臨床研究者、臨床研究コーディネーター等を対象に実施した(無記名留置/郵送質問紙法。対象:当年度と前年度の所属研究室主催研究倫理セミナーの参加者145名。回収数119。回収率82.1%)。その結果、RECSに対する高いニーズが示された(RECSは一般的に必要 98%。RECSを利用したい 95%)。 3) 海外調査 米国においてデータベースを構築している国立衛生研究所(NIH)クリニカル・センターバイオエシックス部門と、ジョンズ・ホプキンス大学バーマン生命倫理学研究所/臨床橋渡し研究所、シアトル子ども研究所/ワシントン大学橋渡し健康科学研究所、NIH臨床橋渡し科学助成金(CTSA)コンソーシアム臨床研究倫理主要機能委員会コンサルテーションワーキンググループの訪問調査を実施し、RECS実施およびデータベース運営状況について貴重な情報を得ることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
日本におけるRECSの事例集積モデルを構築するため、研究目的1に挙げた、国内におけるニーズと米国におけるデータベースについて聞取り調査の実施を達成したから。 国内におけるニーズについては、RECS実施3機関と臨床倫理コンサルテーション実施2機関の聞取り調査を実施したが、他機関への調査も機会を見つけて引き続き実施したいと考える。 加えて、限られた研究機関のコンサルテーション担当者に対する聞取り調査に留まらず、より多数のRECS利用者となりうる倫理審査委員会委員や臨床研究者、臨床研究コーディネーター等を対象とする質問紙調査を実施し、高いニーズを把握することができた(無記名留置/郵送法。対象:当年度と前年度の所属研究室主催研究倫理セミナーの参加者145名。回収数119。回収率82.1%。RECSは一般的に必要 98%。RECSを利用したい 95%)。論文等による本調査の公表が次年度の課題に追加された。 米国における聞取り調査についても、4機関・コンソーシアムそれぞれのRECSおよびデータベースの運営について貴重な情報を得ることができ、邦語論文等による本調査の公表が課題として残った。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、上記の研究目的1に関する残りの課題を達成するとともに、研究目的2に挙げた、全研究段階において全研究関係者を対象とする、研究機関を超えるe-mailを用いたチームコンサルテーションを、所属研究室や専門家の協力を得て試行し、事例を集積・公開することを推進する。 研究目的1に関する追加および残りの課題については、6月に本研究の将来像に関するポスター発表を行い、ニーズ予備調査について8月頃までに論文投稿の予定である。米国調査報告の論文化については12月頃~年度中を予定する。 これらを考慮すると、研究目的2のRECSシステム構築にかけることのできる時間は限られるが、平成27年度にかけて18か月間の試行を予定しているため、次年度の秋頃にはシステムについて検討し、暫定的にでも開始を目指す。システム構築の参考として過去の事例の検討と公開を10例程度予定していたが、数例でも問題ないと考える。また、コンサルテーションと事例集積については、コンサルテーションを先行開始し、事例集積・公開方法については追って来年度にかけて検討作成することとし、まずコンサルテーション実施について所属研究室や専門家の協力を得ていく。
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次年度の研究費の使用計画 |
米国調査2回のうち1回について他研究費による調査と合わせて実施することで旅費を節約することができたから。 繰越金については主に今後の海外調査および研究発表の費用として使用する予定である。
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