研究課題/領域番号 |
25750101
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研究機関 | 国立研究開発法人国立循環器病研究センター |
研究代表者 |
會澤 久仁子 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究開発基盤センター, 室長 (80530162)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 研究倫理 / 倫理コンサルテーション |
研究実績の概要 |
本年度は研究倫理コンサルテーション(RECS)ウェブサイトを通じて12件の相談依頼を受け、2015年度の4件と合わせると依頼数は16件となった。うち8件について外部協力専門家からも助言を得た。相談依頼者は、大学所属(8名)、倫理審査委員・長(6名)、倫理審査事務局(5名)等であった。相談の種類は、倫理審査(10件)、介入試験・治験(4件)、観察研究(4件)等であった。また、フィードバック調査も14件の回答を得た(回答内容は未集計)。外部協力専門家は、本年度は新たに6名に協力を依頼し、20名の協力を得ている。さらに、RECS参考事例集については、本年度、医学教育研究の倫理的配慮(6月7日)と、診療業務の学会発表の倫理審査(8月17日)の2件を追加し、4事例を公開している。事例閲覧数は、本年度初めは50件弱/月であったのが年度末には200件/月を超えて4倍以上となり、累計1700件に増加している。 本RECSのシステムについては第13回国際生命倫理学会においポスター発表を行い、フィンランドや中国の参加者から本システムを参考にしたいとの感想を得た。また、本RECSの実施概況について第2回研究倫理を語る会においてポスター発表を行い、特に企業の参加者から研究倫理研修を受けたり相談をしたいとの声を聞いた。加えて、被験者相談窓口調査についても第37回日本臨床薬理学会にてポスター発表を行い、論文化を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究倫理コンサルテーションの正式な開始が予定より6か月遅れて2015年4月になったことに加え、18か月間で20例の事例集積を想定したが、2015年12月までの8か月間は相談依頼がなかったため。しかし、その後は16か月間に16件の相談依頼を受けることができた。また、参考事例集の公開も4件に留まったが、閲覧数は50件弱/月から200件超/月と4倍以上に増加し、累計1700件に達した。外部協力専門家も20名に増え、半数の相談依頼について協力を得ることができた。さらに、本研究で構築したシステムと実施概況について海外と国内で学会発表も実施できた。したがって本年度は、遅れを取り戻すには至らなかったものの、おおむね順調に進捗したから。
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今後の研究の推進方策 |
研究期間を1年延長し、当初予定した数の事例集積を行うとともに、レビュー、研究発表の一部に取組み、事例集積モデル構築計画をほぼ達成したい。本年度までに、当初目標の20例の事例集積には至らなかったが、16例の事例を収集できたので、レビューを開始する。既に2月には14例の概況について学会発表を行ったが、依頼内容と依頼者属性、対応内容、対応者、対応時間、さらに依頼者フィードバック調査について、より詳細に分析する。また、参考事例集についても、閲覧数の推移等から利用状況を検討する。そしてこれらについて英語論文での成果発表と、実施方法の改善につなげ、構築したモデルによるRECS事例集積を継続する。さらに、これまでに本研究で培った国内外専門家との協力関係にもとづき、多施設共同RECS事例集積モデルの構築や国際比較といったRECS共同研究等の展望について協議を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度は事例集積の継続を主として実施し、研究期間延長を見越して次年度に研究発表費用を残したため。
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次年度使用額の使用計画 |
研究成果の学会発表および論文投稿の費用として使用予定である。
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