遺跡から出土した作物種子について多様性を解析ならびに評価する研究は,作物が成立した要因の検討や作物育種へ貢献できる.そこで,出土種子を解析できるDNAマーカーを開発するため,本研究では葉緑体ゲノムと核ゲノムで計102箇所の塩基配列多型を検出し,現生メロンの系統解析によって,28のDNAマーカーを開発した.岡山県の鹿田遺跡で出土したメロン種子の解析では,多様なメロンの利用,導入,選抜が示唆され,開発したDNAマーカーは日本における作物の多様性を時系列で評価できることがわかった.今後,作物への嗜好と選抜との対応,これに関わる社会や政治的背景を研究するため,これらDNAマーカーを利用する.
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