本研究では劣化過程が様々な環境要因の影響を受けて変化する非定常なシステムを対象として、保全方策の最適化問題の研究を進めた。そして最適保全方策がコントロールリミットポリシーに限られるための十分条件を得た。コントロールリミットポリシーとは劣化状態の観測値、使用・環境条件、保全履歴等の全ての情報を集約された情報群に関し、保全行動の切り替え点が高々数回のみの保全方策であり、最適化の際に考え得る莫大な方策数を有限の方策数に限定できる。さらに、保全方策の最適解を提示するアルゴリズムを提案し、実際の事例への適用を可能にした。
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