近年、北極海の海氷が減少化傾向であることから、北極海航路開通期間はさらに拡大されることが期待できる。そこで、海氷減少傾向の北極海の開通可能性を把握する基礎研究として、海氷・波浪の再解析データを用いて海氷減少傾向であった期間において北極海航路の航海シミュレーションを行った。海氷密接度が決められた値よりも大きい海域では航行できないとすると、概ね8月下旬から9月下旬にかけて北極海航路が開通することを示した(2007~2011年)。近年の北極海航路の海氷状態では、航海時間の短縮よりも北極海航路開通するための航路選択が重要であり、海氷状態による船舶沖待ちは北極海航路開通のために有効な方法である。
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