本研究では,意思決定者の選好構造に対する厳密な定量的評価に基づく多属性効用分析を,集団意思決定問題に適用するための手法を開発しました.従来手法では,意思決定者は属性間のトレードオフ関係の定量的評価のための難解な質問に回答する必要がありましたが,これをいくつかの平易な質問のみで最も選好される代替案を選択できるようになりました.宮崎県における農業政策の策定および評価を集団意思決定問題と解釈して現実問題への適用研究を行い,提案手法の妥当性を確認しています.また,一般に集団意思決定問題は不確定要素の多い問題であるため,不確実性評価のためのエージェントベースシミュレーションの基礎研究も行いました.
|