爆発的な火山噴火では、噴煙が大気中を拡大し、火山灰が地表に堆積する。噴煙拡大ダイナミクスと火山灰降灰メカニズムの理解を目的に、数値の開発と、それを用いた大規模数値シミュレーションを行った。任意の大気条件の中で噴煙の流体成分と火山灰粒子を同時に解く3次元数値モデルを開発し、計算プログラムの高速化を行った。その結果、大規模噴火(ピナツボ1991年噴火)、中規模噴火(ケルート2014年噴火)、小規模噴火(新燃岳2011年噴火)といった幅広い噴火事例の噴煙高度や堆積分布などの観測データを再現することができた。また、噴煙高度に与える風の影響を定量化し、単純なモデルに必要な経験的パラメータを決定した。
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