自然災害による経済被害は世界的に増加傾向にある。事前に自然災害の経済被害を評価し、適切な経済被害対策を講じることはますます重要となりつつある。経済被害の推定モデルの中でも、応用一般均衡モデルは非常に有力なモデルである。しかしながら、応用一般均衡モデルにおける代替の弾力性のパラメータ値等が統計学的に推定されていない等の批判が存在する。本研究では災害の経済被害推定に適した応用一般均衡モデルを、全国47都道府県間動的応用一般均衡モデルとして開発した。同モデルの特徴は、代替の弾力性の値が東日本大震災の経済影響を再現できるようカリブレートされている点にある。経済影響の再現性は短期と長期で評価した。
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