研究課題/領域番号 |
25750147
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 愛知工業大学 |
研究代表者 |
倉橋 奨 愛知工業大学, 工学部, 客員講師 (60510899)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 緊急地震速報 / 南海トラフ巨大地震 / P波震動 / S波震動予測 / リアルタイム地震動 |
研究概要 |
本研究申請時の目的および実施計画では、P波上下動加速度記録を利用して、より早く断層破壊の広がりを推定する方法を確立し、巨大地震でも予測震度が過小評価しない緊急地震速報の高精度化を構築することとしていた。しかしながら、断層の広がりを短時間で正確に捉えることは難しく、対象地点の予測をするためには、計算量も多くなる。このことから断層破壊の広がりを推定するよりも、震源に近い観測記録から、より震源から遠い地点の波形を予測する方がより高精度に予測することができる。このことから、本研究では、主目的は「南海トラフにも利用可能な緊急地震速報の構築」で変更はないが、この目的を達成するための方法として「マグニチュードを決めないで、対象地点よりも震源に近い地点のP波震動の観測記録から、対象地点のS波震動を予測する方法」に変更した。 本研究で提案する方法は、波線理論を基にして、地震動の構成に起因する震源特性、伝播経路特性、地盤特性を考慮して、震源に近いP波震動記録から対象地点のS波震動を予測するものであり、リアルタイムで予測することができる。 当該年度では、上記の方法を理論的に構築した。また、東北地方の観測点と小地震を選定して、上記の方法の再現性の確認を行った。現在のところ、観測記録とよく整合する地点もあるが、そうでない地点も存在している。今後詳細な検証を引き続き進め、より精度のよい方法を目指す。 当該年度では、上記の研究成果を南海トラフ巨大地震による影響がある地点での検証を目指し、リアルタイム地震記録を収集するシステムの構築を進めた。当該年度は、簡易地震計記録を常時監視するとともに、トリガー方式で地震記録を収集するシステムを構築した。しかしながら、サーバの構築などハード面の構築までには至っていない。そのため、当該年度の予算を次年度に繰り越した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
申請時の研究方法と変更しているため直接的な達成度を示すことができないが、南海トラフにも利用可能な緊急地震速報の構築の手法である「マグニチュードを決めないで、対象地点よりも震源に近い地点のP波震度の観測記録から、対象地点のS波震動を予測する方法の構築」の理論的な考え方をまとめ、小地震による予備解析を実施し、観測波形との再現も概ねできていることを確認できたことから、手法の提案と確認までは達成できた。ただし、手法の確立までには至っていないため、今後、解析事例を増やし、その精度を高めていく予定である。 申請時の研究方法および変更した研究方法でも、震源に近い地点でのリアルタイムの記録が必要である。そのための、システムの構築については、ソフト的な構築は完成している。サーバの設置などのハード的な構築も考えているが、やや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
変更した研究方法について、多くの小地震を対象として解析を実施し、解析精度の向上および、新たな課題点が見いだされればその解決を目指す。特に、当該年度は東北地方をターゲットとして解析を実施したが、南海トラフ巨大地震を見据えて、三重県、愛知県、静岡県など東海地域をターゲットして、解析を実施していく。 2011年東北地方太平洋沖地震に加えて、南海トラフ巨大地震のシミュレーション波形を利用して、巨大地震での適用性を検証する。
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次年度の研究費の使用計画 |
研究方法の変更に伴う作業が発生したことおよび、適切な地震計やロガーの選定に時間がかかってしまい、地震計、ロガーおよびサーバの購入することができなかった。 また、外国での研究発表を予定していたが、発表できなかったため。 地震計およびサーバは購入を予定している。 また、当該年度において論文の投稿を予定しているので、その投稿費用に利用する。
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