研究実績の概要 |
本研究の目的:①予察実験用プラットフォームの製作・改良:前年度の設計をもとに、予察実験用プラットフォームを製作する。2年目末には予察実験を開始できる準備を整える。 ②検証方法の確立:前年度の検討を基に検証方法の仮定条件を定め、実際の検証計算で使えるようコーディングを行う。
①(内容)昨年度製作した予察実験用プラットフォームの改良を行った。改良点は、プラットフォームの管理者がユーザの管理を容易に行えるようにしたこと、予測領域と予測期間の登録を先行現象の予測情報に沿うよう行えるようにしたこと、事前予測の登録を証明する目的で登録内容をメールで自動送信するようにしたことの3点である。(意義)事前予測を公平、公正、かつ持続的に行えるようにするための具体的な整備を行うことができた。
②(内容)昨年度から地震発生予測検証実験(CSEP)で使用されている検証方法(D. Schorlemmer and M. C. Gerstenberger, RELM testing center, Seismol. Res. Lett., (2007) 78, 1, 30-36)を検討してきたが、先行現象の予測情報を地震発生確率で表現するのは困難でありCSEPの検証方法で扱うのは難しいという結論に至った。そして、さらなる調査の結果、別の方法(J. D. Zechar and T. H. Jordan, Testing alarm-based earthquake predictions, Geophys. J. Int., (2008) 172, 715-724)が使用できそうであるという見通しが立った。(意義)今回の検討で有望とした検証方法が日本の地震予測に使用されたことはない。日本の地震予測にも適用すれば、論文に掲載されているカリフォルニアの結果と比較することが容易になる。このことによって予測法改良のヒントを得やすくなると考えられる。
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