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2016 年度 実績報告書

大規模災害からの被災者の復興過程に関する「復興曲線」を用いた縦断的研究

研究課題

研究課題/領域番号 25750150
研究機関兵庫県立大学

研究代表者

宮本 匠  兵庫県立大学, 総合教育機構, 講師 (80646711)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2017-03-31
キーワード東日本大震災 / 復興曲線 / 復興過程 / インタビュー
研究実績の概要

東日本大震災の被災者に復興曲線インタビューを実施した。復興曲線インタビューとは、被災者に災害から現在までの心の変化を曲線で描いてもらいながら復興過程の意味づけを行うインタビュー手法である。インタビューの結果、被災者の生活再建に直接つながるような(例えば住宅再建)支援は、時に被災者の現在の生の否定につながり、かえって被災者を無力にしてしまうことがあること、そのときは、被災者の現在の生を肯定するような外部者のかかわりが、被災者の力づけに結びつき、結果的に生活再建等のよりよい支援を可能とすることがわかった。以上のプロセスを、「めざす」かかわりと「すごす」かかわりの2つのキーワードから分析を行った。これは、肥後功一氏が保育の臨床コミュニケーションの現場から提唱した概念である。「めざす」かかわりは、現状をよりよいものにしようとするかかわりであり、「すごす」かかわりは、「変わらなくてよい」という現在の生のかけがえのなさを肯定するかかわりである。対象が、何らかの原因で無力感を抱えているとき、「めざす」かかわりは、その無力感を強めるように働き、かえって現状を閉塞したものにしてしまう。そのときは、変わらなくてよいという「すごす」かかわりが、対象の力づけに資し、豊かに「めざす」ことができるようになるというものである。この2つのかかわりは、災害復興における支援にも同様に当てはまると考えられる。最後に、東日本大震災の被災地は、ようやく住宅再建を終えたところであり、個別再建に一段落がついた今、新しい環境でどのように生活を再構築していくかが問われている。長期的な視野での地域復興が今後の課題であると考えられる。。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2017 2016

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 3件)

  • [雑誌論文] 災害復興の主体形成について2017

    • 著者名/発表者名
      宮本匠
    • 雑誌名

      関西大学経済政治研究所セミナー年報2016

      巻: 2016.3.31 ページ: 60-70

  • [学会発表] 熊本地震の被災者支援から考える今後の災害ボランティア ―西原村災害ボランティアセンターの運営支援の事例から―2016

    • 著者名/発表者名
      宮本匠
    • 学会等名
      日本グループ・ダイナミックス学会
    • 発表場所
      九州大学
    • 年月日
      2016-10-09
  • [学会発表] 熊本地震から考える災害ボランティア活動の現状について2016

    • 著者名/発表者名
      宮本匠
    • 学会等名
      自然災害学会
    • 発表場所
      静岡県地震防災センター
    • 年月日
      2016-09-20
  • [学会発表] The Potentials and Effectiveness of a Community-based Process Evaluation Method for long-term disaster recovery in Kizawa, Niigata, Japan.2016

    • 著者名/発表者名
      Takumi Miyamoto & Takayoshi Kusago
    • 学会等名
      Human Development and Capability Association
    • 発表場所
      一橋大学
    • 年月日
      2016-09-02
    • 国際学会
  • [学会発表] Visualization of Disaster Recovery-5 years after the 2011 Tohoku earthquake-2016

    • 著者名/発表者名
      Takumi Miyamoto
    • 学会等名
      International Congress of Psychology
    • 発表場所
      パシフィコ横浜
    • 年月日
      2016-07-27
    • 国際学会
  • [学会発表] Toward a survivor-centered support in disaster relief volunteering-A case study from the 2016 Kumamoto earthquake-2016

    • 著者名/発表者名
      Takumi Miyamoto
    • 学会等名
      アジア健康心理学会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜
    • 年月日
      2016-07-24
    • 国際学会

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公開日: 2018-01-16  

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