ヒト胎盤バリアの構造・機能をマイクロ流路内に再構築するため、適した細胞および足場材料について検討を行った。その結果、ヒト栄養膜細胞株であるBeWo細胞、ヒト臍帯静脈血管内皮(HUVEC)およびガラス化コラーゲン薄膜(ビトリゲル)を用いることで、極性のあるバリア構造を2つのマイクロ流路間に安定して構築することができた。作製したデバイスを用いて潅流培養を行うと、構築したバリア構造において微絨毛が誘導され、流路間での物質移行量も変化した。さらにこれらの現象は、流体シェアストレスによって活性化されるカルシウムイオンチャネルの作用を介して制御されていることを分子レベルで明らかにした。
|