アルツハイマー病の早期診断には老人斑と神経原線維変化を対象とした非侵襲的画像診断法が有用である。本研究では、フッ素MRIを利用したアルツハイマー病画像診断法の実用化のための基礎研究を実施した。まず、フッ素MR信号を高感度に検出するための構造を解明した。この構造は適当なPEG鎖のリンカーにtrifluoroethoxy基を組み合わせたもので、基本骨格にベンゾオキサゾール基を導入することで老人斑画像化用のフッ素MRプローブ、Shiga-X22を見出した。さらに、高感度に検出するための構造はそのままで、基本骨格を改良することで、神経原線維変化に比較的選択的に結合するフッ素MRIプローブを合成した。
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