核医学イメージングによる心筋血流量測定のため,低侵襲的入力関数推定の精度向上を研究目的とした。塩化タリウムと単一光子断層撮影法における頻回採血により測定した健常者11例の個別入力関数から,一点校正標準入力関数法の最適な条件を決定した。個別入力関数を基準とする,標準入力関数それ自体の誤差は,3.9 ± 2.9%であった。心筋血流量における誤差は0.7 ± 7.8 %であった。低侵襲を実現しつつ心筋血流量定量の可能性と,その誤差を確認したことは意義があると考える。下行大動脈領域からの入力関数推定法の検討から,-9.0 ± 8.1 %の過小推定が確認され,さらなる精度向上が必要であることがわかった。
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