様々な粒径をもつ高分子ミセルを調整し、腫瘍細胞に過剰発現しているインテグリンを標的するcRGDを表面に結合した(cRGD/m)。30-50nmのcRGD/mは脳腫瘍モデルにおいて腫瘍の成長を抑制したが、70-100nmのcRGD/mは効果を示さなかった。腫瘍への集積を調べると、30-50nmのcRGD/mは約8%だが、70-100nmのcRGD/mは2%に満たなかった。顕微鏡観察をすると、30nmのcRGD/mは腫瘍内で血管から溢出し深部へ浸透するが、70nmのcRGD/mは血管から溢出できなかったことが示され、この能動輸送メカニズムはナノ粒子のサイズに依存することが分かった。
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