研究課題
MRI (Magnetic Resonance Imaging) は非侵襲・無障害な画像診断法で、空間分解能に優れている。MRIは生体内の水分子から核磁気共鳴信号を得て画像化しているが、組織や疾患によっては鮮明な画像が得られない場合があり、高感度なMRI造影剤の開発が急務である。一般的な造影剤はガドリニウム錯体であり、ガドリニウムと水の相互作用がMRIシグナルに影響を与える。そこでGd-水の運動性を制御した高感度なMRI造影剤の開発を目的とした。本研究ではsmall heat shock protein 16.5を利用した。このタンパク質は内孔(8 nm)を有するナノカプセル(外径13 nm)を形成するため、Gd錯体を内包でき、また疎水性部位の導入によってその運動性を制御可能である。ナノカプセルを発現・精製を行い、DTPA-Malを用いて内部にガドリニウムを導入した。MRI測定によって疎水性部位の導入によるシグナルの増強がみられ、臨床用の造影剤であるマグネビストと比較しておよそ20倍近いMRシグナルを確認した。また膵癌標的ペプチドiRGDをカプセル表面に提示することによって、膵癌細胞のイメージングにも成功した。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (4件)
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