研究概要 |
耳管通気法とは,耳管咽頭口から耳管内に空気を送り込み,空気が耳管を通過する際に生じる音(耳管通気音)から耳管の状態を診断する手法である.しかしながら,現状では耳管通気音は施行する医師にしか聴診されないため,耳管通気音がデータとして残されず経時的変化を観察することが難しい.また,信号処理によって耳管通気法を定量化することで,診断の信頼性の向上が期待できるため,本研究では患者の外耳道から耳管通気音を録音する装置を開発した. 耳管通気音は録音と同時にヘッドホンに出力される構成とした.これは耳管通気音のリアルタイムでの聴取を可能とし,従来の耳管通気法診断を妨げないようにするためである.併せて,医師が加圧したタイミングも記録するため,圧力センサを用いて圧力の同時計測を行う.また,環境音除去の信号処理に利用する可能性を考慮して環境音も同時に録音を行う.これらの採取したデータの波形はモニタに表示し,その場で確認できる構成とした.
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