本研究では,タッピング運動の独自のアウトカム指標を検討することにより,タッピング運動の臨床における協調運動の質的側面の評価としての有用性を検討した. 研究1:健常成人29名を対象に,パデューペグボードテストとタッピング運動を行い,タッピング運動所要時間とパデューペグボードテスト達成数との相関,また,タッピング運動所要時間と力・振幅との相関を調べた.研究2 :補足運動野に腫瘍性病変を認める脳腫瘍患者において手術中生じる特徴的な運動症状(協調運動障害)について分析した.本研究より,臨床における協調運動の質的3要素(方向,時間,力)の評価として,タッピング運動が有用である可能性が示された.
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