本研究は、外的変化(他動的な歩行速度の変化)に対する身体運動の適応から、発達障害者の身体運動の協調性を定量的に評価する方法の開発を目的とした。発達障害のある成人と健常成人を対象に、他動的に歩行速度が増加するトレッドミル歩行を行った。他動的な歩行速度の増加に伴う発達障害者の歩行動作の適応は、健常成人と異なること、適応時の運動戦略が異なること、および運動協調性障害の可能性があることが分かった。外的変化に対する身体運動の適応を利用することで、運動協調性の障害に起因する発達障害者の運動の不器用さを定量的に評価できる可能性が示唆された。
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