大脳皮質一次運動野では運動学習後、長期にわたりシナプス伝達効率が上昇することが知られているが、そのメカニズムは分かっていない。本研究では、AMPA受容体に着目し、スライスパッチクランプ法を用いてラット(4週齢)一次運動野II/III層のニューロン活動を記録した。学習課題にはローターロッドテストを用いた。運動学習後、AMPA受容体のシナプス移行が生じ、長期的にはグルタミン酸の放出も増大した。本研究から運動学習成立において、プレ・ポストシナプス両側で学習段階に応じたダイナミックな可塑的変化が起こることが判明した。
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