研究課題/領域番号 |
25750210
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
青木 信裕 札幌医科大学, 保健医療学部, 助教 (20554653)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 理学療法学 / 磁気刺激 / 膝関節 / 筋疲労 / 坐骨神経 / 膝関節屈筋 |
研究概要 |
当該研究は、膝関節の屈筋を構成する筋の機能分担について、磁気刺激を用いた新規的な方法を用いて解明することを目的とした。膝関節屈筋を構成する各筋が膝関節屈曲運動にどのように貢献しているかを解明する研究であり、選択的筋疲労条件と磁気刺激を用いて検証する独創的な研究である。特に、坐骨神経に対する経皮的磁気刺激を用いて、膝関節屈筋の筋疲労を定量的に評価する方法を開発する点が新規的である。将来は、高齢者、スポーツ障害症例、脳卒中片麻痺症例を対象とした新規的な治療プログラムを開発するための基盤的研究である。 平成25年度は、神経筋電気刺激を用いて、膝関節屈筋を構成するひとつの筋である半腱様筋に選択的筋疲労を生じさせ、磁気刺激を用いてその筋疲労の程度を評価する実験を行った。選択的筋疲労を行う実験において、低周波治療器を用いた神経筋電気刺激を対象筋に実施することで、半腱様筋が選択的に筋疲労状態になったことを関節トルク、表面筋電図の解析から確認した。磁気刺激を用いて筋疲労の程度を評価する実験において、殿部への磁気刺激により膝関節屈筋から誘発筋電図を導出することを確認した。また、磁気刺激条件を変化させることで、誘発される筋電図が変化することを確認した。この磁気刺激方法を用いて、twitch interpolation法と表面筋電図解析を用いた方法から、半腱様筋を選択的筋疲労させたときの筋疲労の定量的評価についての計測と解析を行った。これらについては、現在も実験と解析を継続している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成25年度は、神経筋電気刺激を用いて、半腱様筋が選択的に筋疲労状態になったことを関節トルク、表面筋電図の解析から確認した。また、磁気刺激を用いて筋疲労の程度を評価する実験において、殿部への磁気刺激により膝関節屈筋から誘発筋電図を導出することを確認した。これらの選択的筋疲労方法と磁気刺激方法を用いて、twitch interpolation法と表面筋電図解析を用いた解析手法を用いながら、半腱様筋を選択的筋疲労させたときの筋疲労の定量的評価方法を開発する実験を行い、解析を継続中である。計画通りに研究は進展しているものの、十分な業績となっていないため、区分(2)とした。
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今後の研究の推進方策 |
昨年度に引き続き、当初計画していた実験を遂行する。今後の推進方策として、現在進めている筋疲労の定量的評価方法の解析と筋疲労状態が膝関節屈曲運動に与える影響についての実験を行う。 筋疲労の定量的評価方法の解析について、関節トルク、誘発筋電図の結果について、解析方法を検討し、筋疲労を定量的に評価することが可能となる方法を開発する。 筋疲労状態が膝関節屈曲運動に与える影響について、運動課題の条件設定(膝関節角度、随意収縮強度、運動速度)について再度検討が必要である。本研究の目的である膝関節屈筋を構成する筋の機能分担を解明するために、膝関節角度、随意収縮強度について特に着目して予備実験を行った後に条件を確定する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
当該年度に未使用の研究費が生じた理由は、作成した特注磁気刺激用コイルの価格が当初の見込みよりも小額となったためである。 繰り越される研究費は翌年度に割り当てた研究費と合わせ、ひずみゲージ式ロードセルやADAD変換ボード、解析ソフトウェア、消耗品の物品費に計上する予定である。旅費、謝金、その他の直接経費は申請書に記載した内容で当初の計画通り執行する予定である。
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