本研究では便秘症患者の腸蠕動が低下しているかどうかを検討した。初年度の研究で音センサーによる腸蠕動評価の信頼性は良好であった。この知見は学会で発表し、論文にまとめた。そこで施設利用中の高齢者23名の腸蠕動音を測定し、介護度、生活動作、認知症、薬剤、排便回数との関係を検討した。その結果全例が薬剤で排便を行っているにも関わらず、腸蠕動音は健常成人11名とよりも有意に増大していた。これは、薬剤よって便秘が改善しないことを示唆している。便秘を改善には別の介入が必要であると考えられる。この知見は学会で発表し、論文として投稿する。今後は運動療法によって便秘が改善するか検討し、理学療法の職域拡大を目指す。
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