本研究は、座面と背もたれをそれぞれ4種類の傾斜ができる座位装置で臀部に生じる力と姿勢の変化を測定した。計測に用いた座位装置では全ての座位条件で臀部の圧力が200mmHgを超え、背部の圧力が100mmHgを超えた。ロホクッション使用により仙骨部と左坐骨の圧力と背面圧は減少するが、ずれ力は増加した。また、ロホクッションを用いても仙骨部の圧力は48-60mmHgであった。ロホクッション座位時における臀部のずれ力は矢状面方向よりも前額面方向が大きい値となった。姿勢の変化と臀部に生じる外力には相関が認められたが、本研究で用いた座面傾斜と背もたれ傾斜による姿勢の変化は有意でなかった。
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