研究課題/領域番号 |
25750226
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研究機関 | 東京工科大学 |
研究代表者 |
地神 裕史 東京工科大学, 医療保健学部, 講師 (30468970)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | ノルディックウォーキング / 骨粗鬆症 / 運動療法 |
研究実績の概要 |
H26年度は、H25年度に行った基礎研究を元に、骨粗鬆症予備軍に対して実際にNordic Walking(以下、NW)を実施する介入研究を行う予定であった。H25年度に3次元動作解析装置(VICON)と筋張力推定ソフト(nMotion musculous)を同期させ、ポールに加える力や歩き方(歩幅や速度)を変化させた際の多裂筋や腸肋筋、最長筋などの傍脊柱筋の推定筋張力の値から腰椎に加わるメカニカルストレスの推定に成功した。その結果、ポールに加える力が大きくなるにつれてこれらの体幹の筋活動は高まり、体重の10%~15%程度でポールをつくNW実施方法が計算上最も腰椎の鉛直方向にメカニカルストレスを加えられることが明らかになった。 これらを踏まえ、共同研究者である新潟医療福祉大学の佐藤成登志教授のグループと共に新潟県胎内市で介入研究を行った。DXAによる骨密度計測の結果、骨密度が低下していた8名の介入前後の骨密度は約1.5%増加した。これらの結果から骨粗鬆症予備軍に対して我々の指導しているNW実施方法が骨密度の維持、改善に効果的であることが示唆された。今後もこれらの対象者の骨密度や運動習慣の変化を追いながら、NWが骨粗鬆症の予防に効果的であるかどうかの検証を進めていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
NWの効果を早期に判定するために血中NTXにより骨代謝の変化を見たかったが、対象者の理解や負担などを考慮し、DXAによる骨密度の計測でモニタリングすることになった以外は予定通り介入研究が行えた。
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今後の研究の推進方策 |
H27年度も引き続き新潟県胎内市での研究を進める一方、茨城県つくば市でも介入研究の計画を進めている。対象者を増やすことで骨粗鬆症の程度を詳細に分類でき、NWが効果的な対象や範囲を明確に検証することができる。
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次年度使用額が生じた理由 |
H26年度は対象者の骨密度計測費や活動費などに予算を執行した。上述したように血中NTXによる評価が行えなかった分、執行した額は予想額よりも少なかった。また骨密度の計測にかかる費用を人件費や謝金で計上していたが、病院とのやり取りになったために未使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
H27年度は対象者を増やすため、H26年度よりも対象者の骨密度計測費用や様々な身体機能を計測する際の人件費、介入を行う際の人件費が必要になる。またNWの介入効果をより高めるために、健常者に対するNWの基礎的な研究も並行して行う。そのための機器や人件費が発生する予定である。
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