研究課題
本研究の目的は脳卒中片麻痺者の歩行分析を行い、それを基に定量的な指標による新たな歩行訓練方法を提案することである。本年度は昨年度に引き続きで定量的な指標を作成するための歩行分析を行った。対象は回復期リハビリ病棟へ入院した初発の脳卒中片麻痺患者とした。昨年度と本年度をあわせ入院から2週時に歩行分析が実施できた患者は154例であった。154例の基本情報は、年齢が62.7±11.3歳、発症から回復期リハビリ病棟入院までの期間が30.7±14.3日、右片麻痺が79例、左片麻痺が75例であった。Stroke Impairment Assessment Set(SIAS)の麻痺側運動項目のHip-Flexion Test、Knee-Extension Test、Foot-Pat Testの合計点(0-15点)で分類すると、0-5点の重度麻痺患者が30例、6-10点の中等度麻痺患者が68例、11-15点の軽度麻痺患者が56例であった。脳卒中片麻痺患者の歩行の問題点として頻度が高い現象は、麻痺側の振り出しが不十分であること、麻痺側立脚期での膝関節の不安定性があげられる。そのため歩行分析のデータから、定量的指標として、麻痺の重症度別に麻痺側の立脚期と遊脚期での膝関節角度を定量化することとした。これらの指標を用いて脳卒中片麻痺患者それぞれの麻痺の重症度に応じた適切な指標を用いて歩行訓練を行ない、その治療効果を検討する。
2: おおむね順調に進展している
昨年度とあわせ、取得できたデータは154例である。重症度別にみて、各群30例以上のデータが取得できており、おおむね順調である。
今後は脳卒中片麻痺患者の歩行訓練の定量的指標として、麻痺側の立脚期と遊脚期での膝関節角度の定量データを用いて歩行訓練を行う。歩行訓練の実施にあたり、必要な備品をそろえて、定量的な指標に基づいた歩行訓練による治療効果を検討していく。
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Jpn J Compr Rehabil Sci
巻: 5 ページ: 40-49