1)2010年から2012年までの3年間に3箇所の事業所で訪問リハビリテーションを開始した279名の初回実施計画書を対象に、訪問リハビリテーションの目標・介入内容と訪問リハビリテーション効果の指標のひとつである終了までの期間との関連を分析した。さらに、脳血管疾患や骨関節疾患などの疾患別に、3ヶ月以内の目標達成による終了の関連要因を抽出した。 2)上記の分析と既存調査の再分析の結果をふまえ、4領域(長期・短期目標からなる<目標設定>、優先度の高い活動を妨げている作業工程と行為をICFで整理する<課題の分析>、解決方法(プラン)の選択肢と根拠を整理する<プランの提案>、プランの頻度と期間を決定づける<プランの立案と実施>)で構成されるアセスメントシートと、これを効果的に活用するために20項目(各領域5項目)のチェックリストを作成した。これらは、複数の訪問リハビリテーション実践者からの使用感を反映し、改訂を繰り返した。 3)訪問リハビリテーションチェックリストとアセスメントシートの使用について、訪問リハビリテーション実践者へのモニタリングを行った。利用者および家族のニーズの聴取に基づく目標の設定、両者の意見に相違が生じた場合の調整など訪問リハビリテーションのプロセスが可視化され、提供者と利用者・家族間の情報共有を行いやすいなどの意見が得られた。 4)訪問リハビリテーションチェックリストの項目が現時点でどの程度実施されているかについて、訪問リハビリテーションまたは回復期リハビリテーションに関わる17施設を対象に質問紙調査を実施した。所属部署(訪問リハビリテーションと回復期リハビリテーション病棟)や臨床経験年数によって実践の程度が異なることや、項目による実践状況の違いが明らかとなった。
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