本研究は、肺がん葉切除術前後の健康関連生活の質(QOL)が変化する要因を分析し、がんリハビリテーションが肺がん葉切除術後の身体機能や健康関連QOLに及ぼす効果を検討した。研究参加者は胸腔鏡下肺葉切除術が施行され、術後12週間の縦断調査が可能でった36名とした。結果、身体機能、健康関連QOLは術後1週後に有意な低下を認めたが、術後4週後から術後12週後にかけて、身体機能、健康関連QOLは有意に改善した。しかしながら、呼吸機能と健康関連QOLは術前よりも有意に低下していた。これらの結果から、身体能力を維持・向上させるだけでは健康関連QOL対策としては不十分であることが示唆された。
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