研究課題/領域番号 |
25750268
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 新潟医療福祉大学 |
研究代表者 |
山代 幸哉 新潟医療福祉大学, 健康科学部, 講師 (20570782)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 両手運動 / 対称動作 / 非対称動作 / 脳磁図 / 脳波 |
研究概要 |
本研究は,脳磁図・脳波を相補的に利用し,片手運動時と両手運動時の神経活動を比較することにより,両手運動時の感覚運動野の活動特性について解明することを目的としている.われわれは日常生活において、左右対称性の動作を行う際には動作の行いやすさを感じることが多々ある。一方,左右で異なる動作を行う際には動作の行いづらさを感じることが少なくない。申請者は、これらの日常的動作の観点から、おそらく、両手運動の中でも、対称動作と非対称動作では運動野や体性感覚野の活動の振る舞いに違いがあるのではないかと考えた。そこで、皮質表層の活動をミリ秒単位で検出できる脳磁図と皮質の深部活動まで検出できる脳波の二つの機器を用いてこれらの機序について検討中である。この運動野や体性感覚野の振る舞いの違いをとらえることにより、対称動作を効率的なリハビリや運動学習につなげることができると考えている。現在、control条件、片手運動条件、対称運動条件、非対称運動条件の4条件を用いて実験を行っている。刺激は、右手示指に装着したリング電極により閾値の3倍で呈示した。この刺激は4条件同一であり、control条件では安静、片手運動条件では右手示指の伸展、対称条件では左右示指伸展を、非対称条件では右手示指伸展、左手小指の進展を同時に行った。これらの4条件において第一次体性感覚野と第二次体性感覚野では異なる振る舞いを示した。第一次体性感覚野では、対称動作で最も活動が小さくなる傾向を示し、一方、二次体性感覚野の活動では対称動作時に活動が大きくなる傾向が示された。このことから、対称動作を行うことにより感覚野の興奮性調節が起こることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究の目的はおおまかに2つ設定した。 1.両手運動中の運動野および高次運動野の活動特性の解明 2.両手運動中の体性感覚野の活動特性の解明 以上の2点である。 1つめの実験でやや運動野および高次運動野の活動を捉えきれなかった。一方、体性感覚野の活動調節については順調に検出することができている。そのため、研究はおおむね順調に進展しているということがいえる。
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今後の研究の推進方策 |
体性感覚誘発磁場については、ある程度のデータを得ることができた。今後は、運動関連誘発脳磁場の記録を安定的に行う工夫が必要となる。具体的には示指伸展の際に、少し負荷をかける。素早く運動を行う。などが考えられる。また、現在はトリガーをLEDセンサーとして記録しているが、筋電反応を基に加算を行う方法もある。
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