研究課題/領域番号 |
25750271
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
向後 佑香 筑波大学, 体育系, 特任助教 (70642669)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | キャンプ / 発達段階 / 自己概念 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、過去の研究及び実際のキャンプ場面から、発達段階に応じた自然体験活動の意義及び特徴を探り、年齢段階に適したモデルプログラムを開発することである。 2年目である平成26年度は、実際のキャンプ場面において、各年齢段階の被験者(①小学生、②中学・高校生、③大学生)のうち、大学生を対象に自己概念の変容について調査を行った。 調査対象者は、平成26年度9月末に実施された、T大学共通体育集中授業「キャンピング」に参加した大学生21名(男性12名・女性9名)であった。調査には自己成長性検査を用いて、キャンプ直前・キャンプ直後・キャンプ2ヵ月後の計3回、アンケート調査を実施した。その内、データに不備の無かった18名を分析対象として、教育効果を年齢別に比較した。また、実習後に「キャンプで学んだこと」というテーマでキャンプにおける“学び”に関する質的データを収集し、それぞれの年齢によってどのような特徴があるのか検討した。 大学生年代における自己成長性の変容を、一要因分散分析を用いて分析した結果、下位因子である「自信と自己受容」において、キャンプ直後に有意に向上し、キャンプ2 ヵ月後に低下するという結果となった。一方、合計得点及び「達成動機」、「努力主義」、「他者からのまなざし」において、キャンプ前後及びキャンプ2 ヵ月後において有意な変化は認められなかった。実習後のレポート記述には「今の自分のままでも、知らない人とチームを組んでも大丈夫なんだと自信が強くなった」などの記述が見られた。見ず知らずの学生同士が集まり、1 つのグループとして深い関係性を築くことが出来た経験が、自己に対する自信や受容感を高める機会になったのではないかと考える。 しかしながら、データの不備等で当初予定していたサンプル数よりも少なくなってしまったため、平成27年度にも引き続き同様の調査を実施する必要があると考える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
調査用紙の選定に時間が掛かってしまい、予定していたキャンプでの調査が3分の1程度しか実施できなかった。データ数も不足しており、次年度、再度調査を実施する必要があるため。
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度に実施できなかった調査について引き続き行い、必要なデータ数を確保する。 データ収集後、至急分析を進め、その内容を踏まえて、発達段階に応じたモデルプログラムを作成する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初予定していた数のキャンプで調査を実施することが出来なかったため、キャンプを指導する予定だったスタッフやデータ入力者への謝金の支出が無かったため、未使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
キャンプでの調査の際のスタッフやデータ入力者への謝金として支出する予定である。
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