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2013 年度 実施状況報告書

昭和初期の「野外教育」に関する比較史的研究‐地域性を活かした活動に着目して-

研究課題

研究課題/領域番号 25750275
研究種目

若手研究(B)

研究機関玉川大学

研究代表者

野口 穂高  玉川大学, 教育学部, 助教 (60434263)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード野外教育 / 教育史 / 身体教育学 / 林間学校 / 郷土教育
研究概要

平成25年度は、昭和期において野外教育を実践していた各実施主体について、個別に資料調査と分析を行った。資料調査においては、野外教育の概要や教育実践の内実が分る書籍や雑誌記事を中心に収集をおこなった。さらに、これらの資料をもとに、個別の実施主体について、林間学校や臨海学校、旅行などの栞や日誌、児童の日記、作文などの資料収集を進め、現在も継続中である。
分析においては、個別の野外教育実践について、野外教育実施の理由、各実践の主体者らの教育思想や教育論、実際の活動を考察した。調査と分析を通じて、昭和期の野外教育には、大正期以降の学校衛生政策の影響を受けた野外教育の流れをくむ実践がある一方で、学習の充実を目指す実践や郷土教育の影響を受けた実践があったことが実証できた。今後は、これらの各実践の特質を比較史的に分析し、その特色を明確にする。
その他、野外教育の実施を後押しした、昭和期の健康論や体育論についても、資料の収集と分析をすすめ、なぜ大正期にも増して、昭和期に学校衛生や体育のより一層の充実が求められたのか、その背景の考察を行った。その結果として、(1)大正末期以降、文部省と内務省の間で、思想教育、社会教育に関する対立が起こり、その一環として体育・保健政策の所管や実施方法においても議論がなされたこと、(2)この内務省との対立のなかで、文部省が「体育デー」の実施などを通じて、学校や家庭、地域内における体育・衛生政策のより一層の拡充を目指したこと、が明らかになった。今後は、これらの政策が野外教育の実施とどのように結びつくのか、実証的に究明する。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の計画通り、各地域における個別の野外教育実践の資料調査を進め、必要な資料を収集することができた。また、収集資料について分析を進め、野外教育の理論や内実、その背景について明らかにするなど、一定の成果を出すことができた。

今後の研究の推進方策

今後は、個別実践を対象とする資料調査と分析を継続するとともに、これまで蓄積した成果をもとに、各実践における野外教育の思想・理論・活動について、地域差に注目しながら比較史的な検討を進める予定である。これらの分析を通じて、各実践の固有性や独創的な点を明らかにする。
研究上の課題としては、当初設定した一部地域について、十分な資料が残存していなかったケースがあった。今後は、対象地域を拡大して、資料調査を進め、さらなる教育実践の発掘を進める。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2014

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] 1924年の第一回全国体育デーの活動状況に関する一考察2014

    • 著者名/発表者名
      野口穂高
    • 雑誌名

      論叢 玉川大学教育学部紀要

      巻: 2014年 ページ: 47-80

    • 査読あり

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公開日: 2015-05-28  

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